子どもが幼児期になってくると、習い事が気になってくる方も多いのではないでしょうか。「できるだけ子どもの才能を伸ばしてあげたい!」「こんな習い事をさせたい」などいろいろな思いがありますよね。
では、子どもの習い事はいつから始めるのが良いのでしょうか。
ママのための情報プラットフォーム「ママスタ」による『「お子さんの習い事」に関する実態調査』(2020年11月)では、3~4歳で習い事を始める子が多いという結果が出ています。
“「お子さんが最初に習い事を始めたのは何歳のときですか?」という質問で、最も多い回答が寄せられたのが3〜4歳の年齢でした。また、小学校に入学する前の0〜6歳の時期に何らかの習い事を経験させているご家庭が約9割という結果となり、未就学児の時期に初めての習い事を検討・経験をさせるご家庭が多いということがわかりました。”
3~4歳というとちょうど幼稚園に入園して、お友達と一緒の習い事を始めるということもあるようです。この年齢になると自分で「これがやりたい」と言えるようになる子が多いので、子どもの意思を尊重して始められるのも良いですね。また、習い事によって始めるのに適した時期があります。
たとえば、ベビースイミングやリトミックなど親と一緒に参加できて、乳児期から感覚を刺激してあげられるような習いごとは0歳から始めても良いでしょう。
子どもが一人で参加するタイプの音楽やスポーツの習い事は、先生と会話ができるようになってからが望ましいです。最近人気のプログラミングやそろばんは、5~6歳以降の方が子どもにとって理解しやすいです。
この後詳しく記述しますが、本人の「やりたい」という気持ちが今後の上達や継続につながってくるので、子どもが「やりたい」と言った時を始め時にするといいかもしれませんね。
親の考えで習い事を決めるべき?
子どもの習い事を考え始めたら、何を習うか悩みますよね。
親が「子どものころやっていたから子どもにも同じ習い事をやらせたい」、「将来有望だからこのスポーツをやらせたい」、「こんな能力をつけてほしいからやらせたい」などいろいろな思いがあるでしょう。
しかし、親の考えだけで決めるのは要注意です。
株式会社イオレが実施した『子どもの習い事に関するアンケート調査』では、習い事の継続に関して以下の結果が出ています。
“「お子様の習い事が続いている理由」についてお聞きしたところ、1位は『子どもが楽しんでいるから』、2位は 『子どものやる気が続いているから』、3位は『好きなこと・得意なことだから』という順になりました。 やはり、物事の継続には“楽しむ”ことが重要なようです。”
引用:株式会社イオレ『子どもの習い事に関するアンケート調査』
習い事を続けるためには「子どもが楽しめること」が重要です。親の考えだけで決められた習い事では、子どもは「やらされている」状態になり楽しいと感じることができず辞めてしまうことが多いのです。
では、どのように決めれば良いのでしょうか。
まずは、子どもが「やりたい」と言っているものをやってみましょう。
幼児期の子どもは、特に深い理由もなく気まぐれでやりたいということも多いのですが、興味を持っているのは確かなので楽しめる可能性が高いです。
もし言葉でやりたいと伝えてこなくても、普段の子どもの様子から好きそうなこと、向いていそうなことを見つけてあげましょう。どうしても親の考えでやらせたい習い事がある場合は、無理強いはせずに提案してみましょう。
例えばサッカーなら、いきなり教室に通わせるのではなく、まずは試合をテレビで見せてあげて、興味をもったようなら「体験にいってみる?」と誘ってあげるのも良いでしょう。
子どもと一緒に決めることを大事にしてくださいね。
辞めたい!行きたくない!などの時どうする?
習い事に通い始めても、順調にはいかないケースも多々あります。「行きたくない」と駄々をこねたり、「辞めたい」と言い出したり…。
そんな時はどうすれば良いのでしょうか。
まずは、しっかり理由を聴いてあげましょう。まだ自分の気持ちがしっかり言えない年齢の子には「〇〇だから嫌なの?」などと気持ちを代弁する形で聞いてみましょう。
子どもが習い事に行きたくない理由はいろいろあります。
難しくてついていけない
練習などが、その子にとって難し過ぎると達成感や楽しさを感じられず、行きたくなくなってしまうこともあるでしょう。その場合は、家で親も一緒に楽しみながら練習してみる、先生に相談してみる、などの対応ができます。
上達までには時間がかかるかもしれませんが、自分でできるようになっているのが実感できると楽しくなってくるものです。
先生や友達と合わない
子どもによって、褒められて伸びる子、叱咤激励されて伸びる子、などいろいろなタイプがあります。その教室の先生のスタイルと合わなければ子どもは苦痛に感じてしまうこともあります。
その場合は思い切って教室を変えてみるのもおすすめです。
また多くの習い事には体験プログラムがありますので、体験の場を活用して先生のタイプが子どもに合っているか、正式に入る前に見極められると良いですね。
気分が乗らない、疲れている
いつもは楽しく行っている子が「行きたくない」という時は、単純に疲れている、気分が乗らないという場合もあります。毎日園や学校でめいっぱい活動している子どもたちは、知らず知らずのうちに体力を消耗しているものです。その場合は無理に行かせず休ませてあげましょう。
無理強いしてしまうと、次から行くのが嫌になったり、体調不良につながったりすることもあるので注意が必要です。
理由をしっかり聴いて対処をしても子どもが「辞めたい」という場合には辞めても良いでしょう。そのまま続けていても子どもが楽しめず苦痛になってしまうからです。
辞めた後に再度興味を持つ場合もある?
いろいろ悩んで習い事を辞めると決めたのに、辞めた後になってまた子どもが興味をもつといった経験をする方も多いようです。
先生や友達と合わず辞めてしまったけれど、そのスポーツや楽器自体は好きという場合には他のところで習えば問題ないですね。
教え方のスタイルが合う先生が見つけられれば、好きなことは長く続けられる可能性が高いです。しかし、辞めた後に同じところでまた習いたがるという場合は、一度辞めてしまった手前親としては気まずいものがありますよね。
習い事を始める時、辞める時には子どもときちんと話合い、「一度決めたら簡単に辞めない」「辞めてしまったらもう習わない」などと約束をしておくのも大切です。
子どもが辞めたいと言った時、まだ迷っていそうだな、決断するのに時間がかかりそうだな、と感じる場合には、辞めるのではなく休止という措置がとれる場合があります。
休会費がかかる場合もありますが、長期間のお休みが可能なので、その間にしっかり考えることができます。判断に迷う場合はこういった制度を活用してみてはいかがでしょうか。
習い事と子どもの成長について
習い事をすることで、子どもはさまざまな成長を遂げます。
スポーツ系の習い事では、その技術が身につくのはもちろんのこと、ルールを守る規律性が身についたり、メンタルが強くなったり、チームプレーをすることでコミュニケーション能力が高まったり、内面的な成長も期待できます。
楽器など芸術系の習い事では、感性が磨かれる他に思考力、発想力、想像力など学力の基礎となる力が身につきます。また、「曲が弾けるようになる」などスキルの上達を実感できるので子どもの自信にもつながります。
実際に、子育て世代向けのWEBメディア「kufura」のアンケート調査ではこんなエピソードが寄せられています。
- 「サッカーで友達との関わり方を覚えていった姿をみれた」(47歳/その他/子ども19歳、13歳)
- 「少年野球を習わせていたが、目上の方へのあいさつが出来るようになり人として成長したのかなと感じた」(56歳/主婦/子ども24歳)
- 「合気道。規律をまもるようになり、心が強くなってきています」(40歳/主婦/子ども8歳)
- 「ギター。音楽で脳が刺激されて、頭の回転が良くなったと思う」(51歳/主婦/子ども21歳)
- 「習字。幼稚園の頃から始め、だんだん落ち着いて字を書けるようになり、3年生頃からはそのうち勉強するときの机に向かって何かに集中するという姿勢に繋がった」(50歳/主婦/子ども17歳、15歳)
引用:子育て世代の「暮らしのくふう」支えるWEBメディア「kufura」『子供の成長を実感できた習い事』
まとめ
習い事によって、子供は紆余曲折ありながらも、様々な成長を遂げるでしょう!
さらに、どんな習い事であっても共通して得られるのが「何かに熱中する」という経験です。「何かに熱中する」ということは好奇心を育みます。好奇心は脳を活性化させ、何歳になっても脳の成長にとって大きな役割を果たしつづけると言われています。好奇心が旺盛だと、「これはどうなっているんだろう?」「じゃあこれは?」とどんどん自分で考える力がついていきます。
子どもたちが社会に出る頃は、AIが人の仕事をこなす時代になっていると考えられています。
そんな時代を生き抜くために、自分で考える力が必要不可欠です。
習い事を通して、子どもたちの旺盛な好奇心を育んでいきたいですね。
専門家からのコメント
中里 絵美(Emi Nakazato)
子ども英会話講師として12年間、0歳からの英語教育に携わる。自身の出産と子育てをきっかけに英語絵本アドバイザーとしても活躍。
『保有資格』
- 保育士
- 日本語教師
- 整理収納アドバイザー1級
【コメント】
近年は子どもの習い事も多岐に渡り、いつから何を始めるべきか悩まれる親も多いと思います。そんな時は
子どもが何に興味を持っているかをしっかりと観察してあげるのがポイントです。
親としては「これからの時代に役に立ちそうなプログラミングをさせてあげたい」や「自分が苦手で苦労した英語を習わせてあげたい」など思うかも知れませんが、これらはあくまで親目線です。
外で体を動かすことが好きな子、じっと座って絵を描くことが好きな子、一人ひとり個性が違います。よく観察していると「うちの子は体を動かすのが好きだから、ダンスの体験に連れて行ってみようかな」と親の考えも自然にまとまっていきます。
流行りや周りの意見に流されず、子どもの興味と気持ちに寄り添って習い事を選択してみてくださいね。
加藤 理亜(Ria Kato)
保育士資格の他に、ベビーマッサージインストラクター・ベビーヨガインストラクター、食育インストラクターの資格を所有。現在はこれらの経験を活かし、主に保育に関連した記事を執筆するライター業務を行っている。
『保有資格』
【コメント】
子どもの習い事をどうするかは悩みどころだと思います。早くから何個も習い事をしている子もいれば、「子どもが特に興味を示さないから」と何も習い事をさせていない家庭もあります。
習い事は正解がないというのがポイントです。
家庭によって考えも違えば、習い事に割く予算も異なります。その家庭ごとの「ちょうどよさ」があるので、こうするのが正解といった明確なラインがありません。とはいえ、お子さんのお友達などが習い事をたくさんしていれば、「自分の子どももさせた方がいいのだろうか」などと悩みますよね。
習い事を決める1番のポイントは、お子さんの意向です。その習い事をなぜしたいのか、習い事をしてどうなりたいのか。習い事をすることで得られるメリットなどを親子で話して一緒に決められるといいですね。
逆に習い事を辞めたくなった時も同様です。「せっかく続けてきたのに」となってしまいがちですが、お子さんの気持ちをよく聞いて、どうするべきか話し合える環境があることが1番だと思います。