生後2か月を迎え、赤ちゃんとの新しい生活に慣れてきたこともあれば、急にミルクを拒否したり、夜泣きが増えたりと新しい悩みに日々苦労しているパパ・ママも多いのではないでしょうか。
また、退院指導や1か月検診がある新生児~生後1か月の時期は、産院等で相談がしやすい環境にありますが、次の3~4か月検診まで時間が空く今の時期は、相談できる機会が少ないこともありますよね。
本記事では、生後2か月赤ちゃんに関する授乳や睡眠、発育等の特徴や注意点を解説いたします。
ぜひ、参考にしていただければと思います。
生後2ヶ月のミルク量について
ミルクの量に関して、厳格なルールは存在しません。母乳を与える1日の量を目安にしながら、赤ちゃんが欲しがったら与えるようにしましょう。
大前提として、授乳間隔やミルクの量に関しての厳格なルールはありません。
基本的には授乳量は、回数よりも 1 日に飲む量を中心に考えるようにしましょう。子どもによって授乳量は異なりますので、1日の目安量に達しなくても子どもが元気で、体重が増えているならば、あまり心配はないでしょう。
またミルクを飲む量は個人差がありますので、これからお伝えする内容はあくまで目安として見ていただき、赤ちゃんのご機嫌や体重増加で判断していくのがよいでしょう。
完全母乳の場合
母乳を与える量は、1日あたり700〜1,000ml程度が目安とされていますが、母乳の場合は、どのくらいの量を飲んでいるか把握するのは難しいでしょう!
母乳の場合は、1回の授乳でどのくらい量を飲んでいるか分かりません。
産院では、授乳前後の体重を測り、その差分で哺乳量を記録された方もいると思いますが、自宅で毎回計測するのは現実的ではないですよね。
基本的には泣いて欲しがるタイミングであげて問題ありません。
1回の授乳時間は左右で各10分程度を目安とし、哺乳量が足りているかは、体重増加の変化で判断しましょう。赤ちゃん用の体重計が自宅にない場合は、レンタルすることも可能です。
またパパ・ママが赤ちゃんを抱っこした状態で大人用の体重計に乗り、自身の体重との差分で、おおまかな体重を知ることも可能です。お出かけした際、おむつ替えコーナーの近くに体重計が置いてある場所もあるので、そのような機会を活用するのもよいでしょう。
混合・完全ミルクの場合
母乳だけでは足りない場合に、ミルクで補完するのが混合授乳と呼ばれるものです。ただミルクの量を把握するのは難しいです。元気で順調に体重が増えているかを気にするようにしましょう!
生後2か月ごろのミルクの量は120~160ml、1日合計700~1,000mlが目安とされています。
1回のミルクの量よりも、1日にどれくらいの量を飲めたかを重視しましょう。
また混合の場合も母乳の哺乳量が分かりません。基本的には母乳を十分に与え、赤ちゃんの様子を見ながらミルクの量を調節しましょう。搾乳機がある場合は、何度か搾乳しおおまかな母乳量を把握しておくのもよいでしょう。
またミルクは母乳より消化に時間がかかるため、母乳を与える場合より、授乳の間隔が長くなる傾向があるようです。赤ちゃんの様子を見つつ、3時間おきの目安で与えると良いでしょう。
冒頭でもお話しした通り、ミルク量に関する厳格なルールはありません。またメーカーが設定しているミルク量も異なります。まずは1日にどれくらい飲めているか、そして体重が順調に増えているかを確認してみましょう。
体重が思うように増えない場合や、1日の哺乳量が著しく不足する場合は、産院やかかりつけ医、近くの小児科で相談してみるのもよいでしょう。
生後2ヶ月のミルクの授乳間隔について
授乳間隔についても、具体的なルールなどはありません
ミルクの授乳間隔もミルク量の考え方と同様で、厳守すべきルールはありません。
下記目安を参考にしつつ、基本的には赤ちゃんのご機嫌を見ながら、欲しがる時に与えてあげましょう。
完全母乳の場合
母乳はミルクと比較して、消化が早いことが特徴です。
おおよそ1時間半~2時間で胃が空になると言われています。よって母乳で育てている赤ちゃんの場合は、混合や完全ミルクの赤ちゃんと比較して、授乳間隔が短く、授乳回数が多くなります。また母乳の分泌量は、寝起きは量が多くなると言われているように、1日の中でも分泌量が変化します。このような理由から、赤ちゃんが欲しがる時に与え、授乳間隔が安定しなくてもそれほど心配する必要はありません。1つの目安としては、1日あたり8~12回となります。
混合、完全ミルクの場合
完全ミルクの場合は、3時間ごとに授乳し、1日あたり5~10回が目安です。
ミルクは3時間程度で消化されると言われているため、赤ちゃんの胃への負担も考慮し、3時間を目安に授乳しましょう。ただし混合の場合は母乳とミルクの比率によって消化時間が左右されます。3時間を1つの目安とし、赤ちゃんのご機嫌によっては少し早めに飲ませてあげても問題ありません。
赤ちゃんの消化スピードは個人差があり、時間帯によっても前後します。よって、赤ちゃんが寝ていて授乳予定時間を過ぎても、わざわざ起こして授乳する必要はありませんし、逆に間隔が短いタイミングがあっても大丈夫です。あくまで赤ちゃんのペースで、ご機嫌を見ながら進めてあげましょう。
生後2ヶ月の授乳時の注意点について
今まで解説した通り、基本的には赤ちゃんのペースで授乳をすることが大切です。
しかし飲みすぎていないか、不足していないかを赤ちゃんの様子から推測することはできます。
授乳時には下記の点を観察してみましょう!
1.体重が増加しているか
定期的に体重を測り、成長曲線から著しく逸脱していないか、また体重が順調に増えているか確認しましょう。
2.下痢や便秘になっていないか
お腹の調子が整っていない場合は、授乳量が多すぎる可能性があります。赤ちゃんの機嫌がよいかよく観察し、下痢や便秘が続く場合は、産院や近くの小児科で診てもらいましょう。
【生後2ヶ月】男の子と女の子の「体重・身長」について
【男の子】
月齢 | 身長(cm) | 体重(kg) |
生後1ヶ月 | 50.9~59.6 | 3.53~5.96 |
生後2ヶ月 | 54.5~63.2 | 4.41~7.18 |
生後3ヶ月 | 57.5~66.1 | 5.12~8.07 |
- 【生後2ヶ月】男の子 身長 54.5~63.2cm、体重 4.41~7.18kg
- 【生後3ヶ月】男の子 身長 57.5~63.2cm、体重 5.12~8.07kg
【女の子】
月齢 | 身長(cm) | 体重(kg) |
生後1ヶ月 | 50.0~58.4 | 3.39~5.54 |
生後2ヶ月 | 53.3~61.7 | 4.19~6.67 |
生後3ヶ月 | 56.0~64.5 | 4.84~7.53 |
- 【生後2ヶ月】女の子 身長 53.3~61.7cm、体重 4.19~6.67kg
- 【生後3ヶ月】女の子 身長 53.3~61.7cm、体重 4.19~6.67kg
生後3ヶ月になると、男の子の平均的な身長は57~66.1cm程度、女の子は56~64.5cm程度となり、2カ月目から3カ月目は1日当たり約30g体重(月間:約900g)が増えます。
体重・身長は赤ちゃんの発育状態を見るために重要な指標です。しかし、赤ちゃんの成長には個人差がありますので、数値から外れていても異常ではありません。
注意した方がよいのは、身長が平均なのに体重が大幅に平均より下回ったり上回ったりしている場合や、急に体重増加が止まった場合です。
そのような場合は、医師や保健師など専門家に相談して対策をとるようにしましょう。
参考文献:乳幼児身体発育調査(調査の結果)
生後2ヶ月の外出時の注意点やオススメ服装
1か月検診を終え、少しずつ外出が楽しめるようになった時期かと思います。
パパやママのリフレッシュの機会にもなりますし、赤ちゃんにとっても外出はメリットがあります。外出時の注意事項に気を付けながら、家族でのお出かけ時間を楽しみましょう。
外出時の注意点
①人混みを避ける
季節性の感染症や風邪に罹らないためにも人混みは極力避けましょう。用事がある場合は、短時間で済ませるのがよいでしょう。
②日差しの対策をする
赤ちゃんは皮膚が大変薄く、バリア機能が不十分なため、紫外線対策はとても重要です。しかし生後2か月で使える日焼け止めは限られてくるので、帽子やベビーカーの日よけ、日傘などで物理的に紫外線対策をしましょう。見落としがちな車内での紫外線対策も、カーテンやUVカットフィルム等を活用して対策しましょう。
③長時間出かけない
少しずつ外出に慣れてきた生後2か月でも、長時間の外出は負担になります。赤ちゃんのご機嫌を見ながら、近場でのお出かけを楽しむとよいでしょう。
服装のポイント
外出時の服装は、室内と屋外の寒暖差をなるべく小さくすることを心がけましょう。
また赤ちゃんはうまく体温調整ができません。状況によって脱いだり、着せたりできるように小物等で調整するのがおすすめです。抱っこ紐での移動時は、パパ・ママと密着して温度が上がりやすいので、こまめに様子を見てあげましょう。
①春・秋
・肌着+長袖ロンパースorドレスオール
春や秋は日中暖かくお出かけ日和ですが、寒い日と暖かい日の気温差や、1日の中でも気温差が大きい時期なので、基本は薄着で、脱ぎ着しやすい小物での体温調整がおすすめです。ベビーカーでの移動であれば、ブランケットでの調整でもよいでしょう。
②夏
・肌着+半袖ロンパース+熱中症予防の帽子
夏は、通気性が良く汗を吸いやすい素材の服がよいでしょう。屋外は日差しも強く熱いので、屋外移動は短時間にするか車移動がおすすめです。またこの季節の屋内施設はクーラーが効いているので、薄手のおくるみ等かけられるものが1枚あると便利です。また紫外線対策と、熱中症には十分気を付けましょう。
③冬
・肌着+長袖ロンパースorドレスオール+アウター+靴下、レッグウォーマー、帽子などの寒さ対策
冬は、室内と屋外の温度差が大きくならないように十分に気を付けましょう。基本的には長袖の服に、厚手のアウターを着せて寒さ対策をします。寒さが厳しいときは、屋外ではスリーパーや毛布などの掛布団も便利です。ただし、ヒートテックや裏起毛は汗冷えにつながるので避けましょう。外出時は靴下やレッグウォーマー等で、足先が冷えないようにしてあげてください。
最後に冬の服装で注意したいのが「温めすぎ」です。赤ちゃんは体温が高いため、「大人よりも1枚少なめ」が目安になります。寒そうだからと着せすぎると、不快に感じ泣いたり、熱中症のリスクにつながったりするので気を付けましょう。
生後2ヶ月の睡眠時間の目安について
この時期の赤ちゃんに必要な睡眠時間は、14~17時間程度です。
1日の多くの時間を睡眠に使っています。しかし睡眠時間もあくまで目安であり個人差があります。昼間にたくさん寝る子もいれば、夜にまとまって寝る子も、まとまって寝るのが苦手で数時間おきに起きる子もいます。
睡眠のとり方は赤ちゃんの個性に任せて大丈夫です。
寝てくれたタイミングで、パパ・ママも休息をとってくださいね。
生後2か月のこの時期は、飲むミルクの量も睡眠時間も成長スピードも個人差が大きいです。
目安は参考程度に、大きく外れる場合や、パパ・ママが不安になった際は、産院や小児科、また地域の育児センター等で相談してみてもよいでしょう。この時期は、付きっ切りのお世話で睡眠不足のパパ・ママも多いと思います。周りの協力も仰ぎながら、無理をせずに過ごしてくださいね。
管理栄養士からのコメント
岩﨑 毬乃(Marino Iwasaki)
管理栄養士でもあり、2児の母。月商億超えの有名ブランド〜ショップ立ち上げまで幅広く担当した経験も有り
コメント
生後2ヶ月ごろはミルクを飲む量をはじめ、個人差が大きい時期です。
本記事の内容はあくまで目安になりますので、赤ちゃんの体重が増加しているかを基準に考えるとよいでしょう。また体重も毎日測るのではなく、3,4日に1度でも問題ありませんよ。
またこの時期、ママの身体は回復をしている最中です。赤ちゃんのお世話で睡眠時間も確保できず、疲れも溜まっています。ホルモンバランスで感情の起伏もあり、自分自身に嫌気がさすこともあります。この時期は、積極的に休息の時間を取れるとよいですね。周囲に預けられる人がいない場合は、産後ケアホテルもぜひ活用してください。
ママの中には、子どもと離れることに罪悪感を抱く方もいらっしゃいます。しかし、ママの心身の健康が何より子育てにおいて重要です。ぜひ気負わず、積極的に休むようにしてくださいね。
さらに赤ちゃんの栄養状態を保つことと同じく重要なのが、ママの身体の回復です。赤ちゃんの生活リズムに合わせていると、つい食事を抜いてしまいがちですが、なるべく3食バランスよく食べるようにしましょう。料理をする時間がないと思いますので、簡易的なごはんでも大丈夫です。可能であれば、ご飯やパンといった炭水化物、納豆や豆腐、お肉といったタンパク質、野菜や果物といったビタミン・ミネラルを意識できるとよいです。いまは栄養バランスの考えられた宅配弁当も豊富にありますので、手作りにこだわらず、ご自身のスタイルに合わせてチョイスしてみましょう。