生後1ヶ月の赤ちゃんは、生活リズムをつかみ始める大切な段階にあります。
まだまだ小さい体ですが、日々成長し、少しずつ周囲の環境に慣れていきます。
そんな生後1ヶ月の赤ちゃんの「ミルクの量はこれで正しいのか」「授乳間隔はどのくらいあけるのか」といった疑問や「赤ちゃんの体重や身長の増え方は正常なのか」などの不安も大きくなりがちです。
産まれたばかりの時期は心配事や疑問点が多い時期でもあります。一つ一つクリアにして行きましょう!
本記事では、生後1ヶ月の赤ちゃんのミルクの量や授乳間隔、体重や身長の目安などをご紹介します。
この記事を通じて、赤ちゃんの健やかな成長を支え、日々のお世話を楽しめるよう、役立つ情報をお届けします。
ぜひ、参考にしてみてください。
生後1ヶ月のミルク量について
生後1ヶ月の赤ちゃんは、ミルクや母乳から栄養を摂取します。
生後1ヶ月のミルクの量ってどのくらいなのでしょう?
- 生後1ヶ月の赤ちゃんの1回のミルクの量の目安は、約140mlです。
- 1日のトータルのミルク量は700~1000 mlとなっています。
しかし、赤ちゃんの成長速度や活動量、健康状態によって必要量は変動するため、赤ちゃんの様子を見ながら、ミルクの量を調整してあげましょう。(参考文献:公益財団法人 母子衛生研究会)
ミルクと母乳の違い
ミルクと母乳の主な違いは、成分、栄養価、消化のしやすさ、免疫力のサポートなどがあります。母乳育児が可能な場合もあれば、さまざまな理由でミルクを選択する場合もあります。
どちらの選択も赤ちゃんの健康にとって最善の方法です。
混合育児(栄養)
混合育児(栄養)とは、母乳とミルクを組み合わせて赤ちゃんに与える方法です。
母乳だけでは足りない場合に栄養補給としてミルクを与えます。
母親の体調や外出時の便利さ、また母親だけでなく父親や家族も赤ちゃんの養育に参加しやすくなる点が混合栄養の利点です。
【混合育児のメリット】
- パパ・家族など他の方が授乳に協力できる
ミルクであればママでなくても授乳できるので、パパや家族が授乳する環境をつくれます。いつも赤ちゃんと一緒にいるママですが、赤ちゃんを預けて、気分転換に外出しやすくなるのもメリットです。
- ママの負担を軽減できる
完全母乳育児の場合、何回もの授乳に対応することで、負担が大きくなります。夜間だけなど一時的に、ミルクで対応することで、ママの体の負担を軽減できるでしょう
【混合育児のデメリット】
- ミルク代がかかる
ミルク代・哺乳びん代、哺乳びんの消毒グッズなどの費用はそれなりにかかります。特にミルクメインの育児の場合はミルク代が大きくなるでしょう。
生後1ヶ月のミルクの授乳間隔について
授乳間隔で言われる約2〜3時間はあくまでも目安で、赤ちゃんの状態やサインに注意を払うことが重要です。
一般的に生後1ヶ月の赤ちゃんには、約2~3時間ごとにミルクを与えることが推奨されています。
生後1ヶ月の赤ちゃんは、まだとても小さく、消化器系も未熟な状態です。そのため、小さな胃は1度に多くのミルクを受け入れることができません。適切な間隔を空けることで、赤ちゃんの胃に負担をかけず、飲み過ぎや消化不良を防ぐことができます。
赤ちゃんが泣いてしまうと、お腹が空いているのか、他に理由があるのか判断が難しい場合があります。この時期の赤ちゃんは代謝が良く、頻繁にエネルギー補給が必要になるため、授乳間隔がそれほど空いていなくても、赤ちゃんが泣いている場合は、お腹が空いている可能性もあります。
生後1ヶ月の赤ちゃんのミルクの授乳間隔には、「必ず2~3時間空ける」という厳格なルールよりも、赤ちゃんの健康状態やサインに注意を払う柔軟性が求められます。
授乳間隔があいていない場合に赤ちゃんが泣いた時の対処法として、ミルクを与えることもありますが、遊んであげるなど他の方法も試みることが大切です。
生後1ヶ月の授乳時の注意点について
生後1ヶ月の赤ちゃんの授乳は、親子にとって大切な絆を深める時間です。
しかし、授乳時にはいくつかの注意点があります。
授乳時の姿勢
授乳時の姿勢は、赤ちゃんとお母さんにとって快適なものであるべきです。適切な授乳姿勢を取ることで、赤ちゃんは安心して飲むことができ、お母さんも疲れにくくなります。
また生後1ヶ月の赤ちゃんは、まだ首が据わっていないため、授乳時には、赤ちゃんの頭と首を優しく支えることが重要です。
授乳クッションなどを使用して、安定した姿勢を保てるようにしましょう。
まだ飲むのに慣れていない
この時期の赤ちゃんは、まだミルクを飲むことに慣れていないことが多いです。
ゆっくりと時間をかけて、赤ちゃんが自分のペースで飲むことができるようにサポートしてあげましょう。焦らず、赤ちゃんが飲みやすい角度でミルクを与えることが大切です。
ゲップ
授乳後は、自分自身でまだ上手く調整できず、赤ちゃんが空気を飲み込むことがあります。これを放置すると、不快感や腹痛の原因となることがあるため、授乳後には赤ちゃんにゲップをさせることが推奨されています。
また飲んだミルクをきちんと消化できないこともあります。
そのような中で、空気を吐き出そうとしてげっぷをし、げっぷとともにミルクを吐き戻してしまう事もあります。特に寝返りをした時などに吐き戻してしまうと、喉につまってしまう可能性もあります。
なので、ある程度飲ませたら「げっぷ」をさせるのは重要な事です。
ただ母乳の場合、毎回ミルクの飲む量が同じでは無い為、ゲップがしっかり出るときもあれば、まったく出ない時もあります。哺乳瓶と比較すると、母乳は空気を飲み込むことが少なく、ゲップも比較的少ない時も多いでしょう。
数分縦抱きにして背中を擦ってあげる・赤ちゃんの背中を優しく叩く・とんとんする事が重要でしょう。
授乳時の室内の明るさ
授乳時の室内の明るさも、赤ちゃんの安心感に影響します。あまりにも明るすぎると、赤ちゃんが刺激を受けすぎてしまうことがあるため、柔らかい照明にするのがおすすめです。
また夜間の授乳の際は、赤ちゃんが再び眠りやすいような環境を作ってあげるのが良いでしょう。
生後1ヶ月の体重・身長について
生後1ヶ月の赤ちゃんの体重は、1日あたり約20g~30gずつ体重が増え、体重は出生時から約1kg増加。
身長は、出生時から約5cm程伸びていれば、問題なく成長していると言えるでしょう。
【生後1ヶ月】男の子の体重・身長の目安
月齢 | 身長(cm) | 体重(kg) |
生後1ヶ月 | 50.9~59.6 | 3.53~5.96 |
生後2ヶ月 | 54.5~63.2 | 4.41~7.18 |
生後3ヶ月 | 57.5~66.1 | 5.12~8.07 |
【生後1ヶ月】女の子の体重・身長の目安
月齢 | 身長(cm) | 体重(kg) |
生後1ヶ月 | 50.0~58.4 | 3.39~5.54 |
生後2ヶ月 | 53.3~61.7 | 4.19~6.67 |
生後3ヶ月 | 56.0~64.5 | 4.84~7.53 |
生後1ヶ月の男の子の赤ちゃんの平均体重は、約3.5kg~6.0kg程度、女の子では約3.4kg~5.5kg程度が目安とされています。身長は、生後1ヶ月で約3cm~5cm程度伸びるとされ、男の子は平均で約50.9cm~59.6cm、女の子は約50cm~58.4cmとされています。
体重・身長は赤ちゃんの発育状態を見るために重要な指標です。
しかし、これらの数値はあくまで平均的なものであり、個人差があります。赤ちゃんの成長には個人差がありますので、数値から外れていても異常ではありません。
一部の赤ちゃんはこれらの範囲よりも大きかったり小さかったりすることがありますが、これは赤ちゃんの個性の一部です。赤ちゃんが健康で、安定して成長していれば、体重や身長が平均値から少し逸脱していても、あまり心配する必要はないでしょう。
注意した方がよいのは、身長が平均なのに体重が大幅に平均より下回ったり上回ったりしている場合や、急に体重増加が止まった場合です。
そのような場合は、医師や保健師など専門家に相談して対策をとるようにしましょう。
参考文献:乳幼児身体発育調査(調査の結果)
生後1ヶ月の外出時の注意点やオススメ服装
生後1ヶ月の赤ちゃんとの外出は、季節に応じた適切な服装選びや赤ちゃんの健康と快適性を最優先に考える必要があります。
生後1ヶ月の赤ちゃんは通常、生後1ヶ月検診を受ける時期です。
基本的には、赤ちゃんが健康で、無理のない範囲であれば、短時間の外出は問題ないとされています。生後1ヶ月の赤ちゃんはまだ外界の刺激に非常に敏感なため、直射日光や強い風から守るための服装を心掛けましょう。
また長時間の外出や人混み、感染症のリスクが高い場所への外出は避けるべきです。
赤ちゃんの外出時の服装は、春や夏の暖かい時期には、体温調節がまだ上手くできないため、薄手の綿素材の服が適しています。また冷房の効いた場所へ行く際は、薄手のカーディガンやブランケットを持参し、赤ちゃんが寒くないように注意しましょう。
秋や冬の寒い時期には、肌触りの良い暖かい素材の服を選ぶことが重要です。内側には柔らかい綿の肌着、その上にフリース素材などのカバーオールを着せ、必要に応じてアウターや帽子などの防寒着を追加しましょう。
生後1ヶ月の睡眠時間の目安について
生後1ヶ月の赤ちゃんの睡眠は、1日の大半を寝て過ごしますが、そのパターンは個人差があります。
よく寝る子もいれば、あまり寝ない子もいますが、生後1ヶ月の赤ちゃんの平均的な睡眠時間は、1日に14~17時間とされています。しかし、この睡眠は長時間続くものではなく、2~4時間ごとに目覚めることが多いため、1日を通して何度も寝たり起きたりを繰り返します。
生後1ヶ月は、お母さんにとっても体の回復と心身の調整が必要な時期です。出産後の体の回復に加え、夜間の授乳や赤ちゃんの世話による不慣れな育児は、睡眠不足に繋がりがちです。
お母さんが休んだり、良質な睡眠を取れるよう家族や周りの人がサポートをすることが望ましいでしょう。生後1ヶ月の赤ちゃんは、未熟なため、頻回にミルクや母乳を与える必要があったり、睡眠サイクルがまだ整っていなかったりとケアが大変な時期です。
成長具合(身長・体重)・睡眠時間の目安は参考程度に、大きく外れる場合や、パパ・ママが不安になった際は、産院や小児科、また地域の育児センター等で相談してみてもよいでしょう。この時期は、付きっ切りのお世話で睡眠不足のパパ・ママも多いと思います。
生後1ヶ月赤ちゃんは大変ながらも成長が著しい時期です。家族や周りの人と支え合いながら、無理をせずに過ごすようにしましょう!
管理栄養士からのコメント
岩﨑 毬乃(Marino Iwasaki)
管理栄養士でもあり、2児の母。月商億超えの有名ブランド〜ショップ立ち上げまで幅広く担当した経験も有り
コメント
ミルク育児をしていると、いまだに一部の方からは母乳がよいと意見されることもあるでしょう。他人からの心無い言葉に、傷ついた経験のあるママも少なくありません。とくにご高齢の方の時代は母乳育児が主流でしたので、完全母乳の思想が強い傾向にあります。
しかし今の時代、母乳でもミルクでも問題なく育ちますので、周囲の声は気にせずご自身の身体やライフスタイルと相談して進めてくださいね。赤ちゃんにとって、ママの心身の健康が何より大切です。
またミルク関係の悩みで多いのが、飲む量や時間間隔でしょう。母子手帳やミルクの缶に記載されている目安量を飲めなかったり、2時間で泣いて欲しがったり、飲みムラがあったり。目安と分かっていても、その通りに進められないと心配になりますよね。また一喜一憂しながらの育児に、イライラする気持ちや焦る気持ちも出てくると思います。
しかし、大人の皆さんが食欲のない日や気分が乗らない日があるように、赤ちゃんの気分や体調も毎日変わります。そのようなときは、「今日は気分が乗らないのね」と解釈し、無理に頑張らなくて大丈夫ですよ。ミルクの飲む量が日々不足し、体重の増えが悪いときは、かかりつけ医や保健師に相談してみてくださいね。 ママもママ歴0歳です。分からないことや不安なことがあるのは当たり前です。また産後は身体が回復しておらず、心身ともに疲れやすい時期です。周囲の人や産後ケアホテルなどを活用して、息抜きする時間を積極的に作ってくださいね