生後4ヶ月の赤ちゃんは首がすわり、まわりに興味を持ち始めるようになります。少しずつ授乳間隔があいてきて、「赤ちゃんのお世話が少し楽になったかな」と感じる頃かもしれません。
今回は生後4ヶ月の体重・身長の目安や授乳、睡眠時間、おでかけについて解説します。ミルクの量や授乳間隔、お世話のポイントについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
生後4ヶ月の赤ちゃんの身長と体重の目安
生後3ヶ月までは体重がどんどん増えていた赤ちゃんも、生後4ヶ月以降は緩やかな増え方になります。生後4ヶ月の赤ちゃんの身長と体重の目安は、以下の通りです。
身長 | 体重 | |
男の子 | 59.9~68.5cm | 5.67~8.72kg |
女の子 | 58.2~66.8cm | 5.35~8.18kg |
引用:厚生労働省「平成22年乳幼児身体発育調査報告書」
kekkagaiyou.pdf (mhlw.go.jp)
上記は目安であり、身長と体重の成長には個人差があります。
母子健康手帳には乳幼児身体発育曲線が記載されています。赤ちゃんの体重と身長を記入し、発育曲線のカーブに沿っているかどうかを確認しましょう。
体重が増加せず成長曲線からはずれていく場合や成長曲線を超える体重増加がみられる場合は、小児科医に相談してください。
生後4ヶ月の赤ちゃんの生活
生後4ヶ月の赤ちゃんは、新生児の頃よりも1回の授乳で飲める量が増え、授乳間隔があいてくるようになります。生後4ヶ月の赤ちゃんのミルクの量と授乳回数、睡眠時間の目安についてご紹介します。
ミルクの量と授乳回数の目安
生後4ヶ月の赤ちゃんのミルクの量と授乳回数の目安は、以下の通りです。
- 完全にミルクで育児をしている赤ちゃんの授乳回数の目安は、1回160~200ml、1日5回程度です。
- 母乳で育児をしている赤ちゃんの授乳回数の目安は、4~5時間おき、1日5~6回程度になります。
- 母乳とミルクの混合で育児をしている場合は、4~5時間おきに母乳をあげて、足りていないようであれば40~60ml程度のミルクを足します。
授乳間隔が目安より短い場合や日によって飲む量が少なくても、赤ちゃんが元気で体重が増えていれば問題はありません。
睡眠時間の目安
昼は起きている時間が長くなり、夜に4~5時間まとまって寝るようになる赤ちゃんが多くなります。昼寝は午前中に1回と午後に1~2回になるでしょう。
しかし、中には夜中に何度か授乳で起きたり、夕方に機嫌が悪くなって泣き出したりする赤ちゃんもいます。個人差がありますので、日中に赤ちゃんが機嫌よくしていれば問題はありません。
生後4ヶ月の赤ちゃんの体の発達
首がすわる4ヶ月の赤ちゃんは、うつぶせも上手になり、興味を持ったものに手を伸ばそうとします。生後4ヶ月の体の発達の特徴は、以下の通りです。
- 首がすわり、たて抱きができるようになる
- うつぶせが上手になる
- よだれが増える
1つずつ解説します。
首がすわり、たて抱きができるようになる
たて抱きができるようになると、仰向けで寝ているだけでは見えなかったものが見えるようになります。赤ちゃんにとっては、見えるものすべてが新しい世界です。興味を持ったものに手を伸ばしたり、触ろうとしたりするでしょう。手を伸ばしてものをつかむ動作を何度も繰り返して、ものとの位置関係や遠近感をつかんでいくのです。
うつぶせが上手になる
生後4ヶ月の赤ちゃんをうつぶせにすると、両ひじで体を支え、頭を持ち上げてまわりをながめるようになります。うつぶせは首のすわりも良くなり、手足の力がついて、寝返りやハイハイなど今後の体の発達に繋がっていく姿勢です。赤ちゃんがうつぶせになっている時は声をかけたり、おもちゃであやしたりして目を離さないようにしてください。
よだれが増える
生後4ヶ月の赤ちゃんは、よだれの量が増え、服の襟元が濡れてしまうことも珍しくはありません。口元の筋肉がついてきて、よだれの量が落ち着いてくるのは10か月頃です。よだれ、いわゆる唾液は消化を助け、口の中を洗浄する働きがあります。スタイをつけて、よだれをふいてあげましょう。
生後4ヶ月の赤ちゃんの心の発達
生後4ヶ月の赤ちゃんはパパやママに向けて声を出したり、ほほえんだりするようになります。生後4ヶ月の心の発達の特徴は、以下の通りです。
- 好奇心が強くなる
- 感情表現が豊かになる
1つずつ解説します。
好奇心が強くなる
首がすわって視界が広がった赤ちゃんは、まわりの世界への興味・関心が広がっていきます。特に振ると音が鳴る、引っ張ると動くなど、自分のしたことに手ごたえが感じられるおもちゃが大好きです。おもちゃをつかもうと手を伸ばし、手のひらでつかんだものを口に持っていくようになります。ものの感触を自分の唇や舌で確かめているのです。
感情表現が豊かになる
あやすと声をあげて喜ぶ一方で、自分の思いが伝わらないと手足をバタバタさせて泣き出すなど感情表現が豊かになります。自分から出す声も「あー」「うー」に加えて、「キャー」「バー」「ブー」など自分なりの声の種類が増えるようになるのも、生後4ヶ月頃です。赤ちゃんをくすぐるこちょこちょ遊びでは、手足をバタバタさせて全身で喜ぶ姿が見られます。
生後4ヶ月の赤ちゃんのお世話のポイント
体も心も成長する生後4ヶ月の時期は、生まれたばかりの頃とは違うお世話も始まります。生後4ヶ月の赤ちゃんのお世話のポイントは、以下の通りです。
- 生活リズムを整える
- 目を合わせて遊ぶ
- 転落を予防する
- 誤飲に注意する
1つずつ解説します。
生活リズムを整える
生後4ヶ月は、少しずつ生活リズムを整えていく時期です。朝は窓のカーテンを開け、おひさまの光を部屋の中に入れて「おはよう」と声をかけてあげましょう。昼間は一緒に遊び、夜は静かに過ごすようにすると生活リズムが整いやすくなります。夜になかなか寝付けない赤ちゃんは、昼寝を少し短めにしてもよいでしょう。
目を合わせて遊ぶ
赤ちゃんから声を出してパパやママを呼んでいる時は、目を合わせて応じてあげてください。赤ちゃんが手を伸ばしておもちゃをつかめたら、「上手に持てたね」と目を合わせ、声をかけてあげましょう。赤ちゃんの名前を呼び、目を合わせて遊ぶことで、赤ちゃんは大好きなパパやママを認識しやすくなります。
転落を予防する
うつぶせが上手になってきた赤ちゃんは、仰向けに寝ていても手で自分の足を触って遊ぶようになります。そうやって遊んでいるうちに、体が反転して寝返りができるようになる可能性があるのです。「まだ寝返りしないから大丈夫」と思っていると、ベビーベットやソファーから転落するかもしれません。寝かせる時はベビーベッドの柵を上げて、赤ちゃんの転落を予防しましょう。
誤飲に注意する
生後4ヶ月の赤ちゃんは好奇心旺盛で、手でつかんだものを口に持っていきます。硬貨、タバコ、幼児のおもちゃなど、小さいものは誤飲しないように片付けておきましょう。目安としてトイレットペーパーの芯(直径約4cm)を通るものは、赤ちゃんの口に入ってしまう可能性があります。ビニール袋やガーゼも口を入れてしまうおそれがあるので、赤ちゃんの届かない場所に置きましょう。
生後4ヶ月の赤ちゃんのおでかけ
赤ちゃんの生活リズムを整えるには、昼間におでかけをするのもおすすめです。最初は短時間のおさんぽから始め、慣れてきたら自然公園や児童館へのおでかけもできるようになります。赤ちゃんとのおでかけの際に役立つ持ち物や服装について紹介します。
短時間のおさんぽから始める
赤ちゃんとのおでかけは、短時間のおさんぽから始めるのがおすすめです。短時間のおさんぽに慣れてきたら、児童館や地域の子育て支援センターへおでかけしてみましょう。おでかけセットとして、以下のものをひとまとめにしておくと便利です。
- 授乳グッズ
- オムツ、おしりふき、ビニール袋
- 着替え
- タオルやガーゼ
少し遠出をする場合は、施設の授乳室やベビールームの情報を事前に把握しておくと安心ですよ。
4ヶ月児健診を受診する
多くの自治体では3~4ヶ月の時期に、乳児健診を行っています。赤ちゃんの成長と発達を確認し、悩みを専門家に相談できる機会です。身体測定や医師の診察があるため、赤ちゃんの服装は着脱しやすい前開きタイプがおすすめです。また、会場内で検温をしたり、書類を書いたりすることもあります。マザーズバッグは両手の使えるものが便利です。
おでかけにおすすめの服装や便利グッズ
おでかけをする赤ちゃんの服装は気温や室温に応じて、脱がせたり着せたりできるものがおすすめです。夏にエアコンの効いた室内で過ごす場合は、半袖ロンパースやブランケットを用意しましょう。秋冬はベスト、ニット帽、アウター、レッグウォーマーなど着脱しやすいアイテムを組み合わせて、大人が調整します。
また、紫外線の多い春から秋は、つばの広い帽子をかぶったり、ベビーカーにシェイドをかけたりして赤ちゃんの皮膚を守りましょう。網目状のボールや歯固めなど音の鳴らないおもちゃを持ち歩いておくと、赤ちゃんがぐずった時に役立ちます。
生後4ヶ月の赤ちゃんの赤ちゃんとの生活を楽しもう
生後4ヶ月の赤ちゃんは首がすわって視界が広がり、体も心も成長がみられる時期です。少しずつ生活のリズムを整えながら、生後4ヶ月の赤ちゃんとの生活を楽しみたいですね。
どの時期にも当てはまりますが、成長のスピードには個人差があります。心配なことは小児医や4ヶ月児健診の機会に相談し、赤ちゃんのペースに合わせて、温かく見守ってあげましょう。
参照:平成24年3月 乳幼児身体発育 評価マニュアルkatsuyou.pdf (niph.go.jp)
参照:授乳・離乳の支援ガイド(2019年決定版) 000496257.pdf (mhlw.go.jp)